ネット上で、韓国に日本とそっくりのお菓子がある、パクリではないのか?という声があります。
いくつかのサイトでは写真比較していますが、パッケージのみの写真比較なのでもうちょっと深く見てみたい。ということで当サイトではそれらを実際に購入し、中身の比較や実際食べて味の比較までもしっかり行っていきます。
パクリなのか、いやオリジナルか。どれくらい似ているのか、味までそっくりなのか、徹底的に見ていきましょう。ちなみに私は日本人ですが日本も韓国も大好きですので、肩入れせず平等な視点から率直に見ていきます。
比較商品リスト
比較した商品は4種類。
- セウカン(새우깡)
- キャラメルコーンピーナッツ(카라멜콘 땅콩)
- コッカルコーン(꼬깔콘)
- コブク チップ(꼬북칩)
韓国食材を扱う Yes mart 福岡店 で日本のお菓子と似てそうなものを選んできました。ではひとつひとつ比べていきましょう。
セウカン(새우깡)
カルビーのかっぱえびせんに似ていたセウカン(새우깡)です。
上の写真を見る限り、かっぱえびせんと凄まじくそっくりです。このセウカン(새우깡)は農心(농심)というメーカーが作っています。日本ではあの辛ラーメンでおなじみの韓国の会社です。
ちなみにどちらが先に出したのかというと、かっぱえびせんが1964年登場で、セウカンが1971年に登場。かっぱえびせんが先に発売されています。どっちもロングセラーの人気商品です。
開封して比べてみます。
色も形状も酷似していました。ただセウカンのほうがギザギザの間隔が狭くて洗濯板のようだ。またセウカンは棒のひねりが少なめ。匂いはそっくりです。
食感は、かっぱえびせんは全体的に中身が詰まった感じで硬め。セウカンはかっぱえびせんよりやや柔らかい。しっとりという意味の柔らかさではなくサクサク感の柔らかいという意味。断面がどうなっているか写真撮ってみた。
上の写真でわかるだろうか。セウカンのほうが空洞が大きく、かっぱえびせんのほうが生地が密である。食感の違いはこのせいかもしれない。ただこれは同時に比べて食べないとわからないレベル。それとよく見ると色が違う。かっぱえびせんは内部まで色がついているが、セウカンは内部が白っぽい。
では味の方はどうかというと、食べて比べると、かっぱえびせんはしっかり塩が効いているがセウカンは塩味は薄めでさっぱりしていた。塩を考えなければよく似た味。
個人的にはかっぱえびせんは塩が強すぎてあまり食べられなかったので、薄塩であるセウカンのほうが好き。ただこれは好みの問題でしょう。
キャラメルコーンピーナッツ(카라멜콘 땅콩)
東ハトのキャラメルコーンに似ている韓国クラウン製菓のキャラメルコーンピーナッツ(카라멜콘 땅콩)。まずはパッケージから。
パッケージそのものはあまり似ていない。韓国の方はアメリカンなデザインだ。問題は中身。カラメルソースがかかったコーンスナックにピーナッツが入っているという点が共通しているのだ。
販売開始した年は東ハトのキャラメルコーンが1971年で、クラウン製菓のキャラメルコーンが1989年から発売となっている。
東ハトとクラウンで形状が異なる。ただ東ハトのキャラメルコーンのほうが色が濃い。カラメルソースがより多くコーティングされているのだろうか。
半分に割って断面図を見てみる。下の写真の通り、断面は両者にそれほど差はなかった。微妙に東ハトのほうがキメが細かい気もするが気のせいか。
あと気になるのはピーナッツだ。ピーナッツに差はあるのか確認。
ピーナッツのほうは両者で大きく差が出た。東ハトのピーナッツは割れたのが多かったが全部で19粒相当とたっぷり入っていた。クラウン製菓のピーナッツはたった6粒だった。ただ、こちらはピーナッツ加工品となっていてクリスプ層のような殻で覆われている。
食感は東ハトキャラメルコーンはサクサクの食感。クラウン製菓のキャラメルコーンもサクサクだが東ハトよりやや柔らかい。固さの差は主に表層部の厚みの差のようにも思えた。
味の方は、東ハトはカラメルソースたっぷりでとても甘い。クラウン製菓の方はカラメルのかかっている量が東ハトより少なくて薄味。このカラメルの量の差は色の差で明らかに違いがわかる。東ハトのほうが濃いカラメルの色をしている。
美味しさは東ハトのほうが濃厚な甘さで圧倒的に美味しいと感じた。ただクラウンの方もまずいわけではない。加工ピーナッツも6粒と少なかったがとても美味しかった。
コッカルコーン(꼬깔콘)
ハウス食品とんがりコーンにそっくりのロッテ製菓(롯데제과)が出しているコッカルコーン(꼬깔콘)。
比べるとパッケージは全く違う。とんがりコーンはスナックとしては珍しい箱入り。ただ、イメージイラストを見れば分かる通り中身がそっくりとすぐに分かる。
開封して中身を比較するがやはり見た目はそっくりだ。大きさも形状もよく似ている。ただ、とんがりコーンが若干色が濃いかな。
気になる発売年は、ハウスとんがりコーンは1978年発売。ロッテのコッカルコーンは1983年発売となっている。
とんがりコーンのほうが先だからハウス食品がオリジナルだというとそうでもなく、実はアメリカのゼネラルミルズのBuglesが1966年発売でこれがオリジナル。ハウスのトンガリコーンはゼネラルミルズの技術提携によって作られた商品である。箱にも記載してある。
では試食してみる。
食感については、とんがりコーンはやや明確なサクサク食感。コッカルコーンもサクサクだがやや弱い。味の方はとんがりコーンは塩がしっかり効いている感じでハッキリとした味。コッカルコーンは塩が薄くあっさりしている。
美味しさ的にはトンガリコーンが美味しく感じたが、これも好みがあるだろう。
コブク チップ(꼬북칩)
ヤマザキビスケットのエアリアルにそっくりな、オリオン(오리온)のコブク チップ(꼬북칩)です。
写真はTURTLE CHIPS(タートルチップス)とありますが、これがコブク チップ(꼬북칩)です。ハングル文字版のパッケージもあります。見た目はエアリアルとは違い、アメリカンなお菓子のイメージです。
発売年はヤマザキビスケットのエアリアルが2009年で、オリオンのコブクチップが2017年に発売。
では開封してチェック。
ややコブクチップのほうが小さいが、形状はこれでもかというほどよく似ている。どちらも4層構造。エアリアルはとても個性的な形状をしているので、たまたま似てしまったという感じではないような気もした。
食感は、エアリアルはサクサクパリパリ感が強いが、コブクチップはそれほど固くはなく崩れやすい。香りは両商品とも強く、コブクチップのほうが甘い匂いを感じる。
味はいろいろなバリエーションがあるが、両商品ともコーンポタージュ味で揃えた。エアリアルは塩が効いて若干甘い感じのスナックだ。コブクチップは塩気はほぼ感じない。甘いコーンスナックという感じでエアリアルより甘さが強い。どっちも甲乙つけがたく美味しい。
2つともコーンポタージュだがエアリアルの方はパセリパウダーがかかっている。
結局パクリなのか
ここまで4商品をくらべた感想だが、どれも日本のメーカーのほうが発売年が早かった。形状や味、スナックとピーナッツの組み合わせなど、日本の商品を意識して作ったというのは強く感じた。
これらの商品を調べていくと、やはり酷似していると問題提起された過去があり、一部はテレビでも取り上げられていました。また韓国の方でも、日本商品の盗作ではないのかという声は上がっているようです。
メーカーの方は独自に開発したと主張しているのでこれらの問題は平行線を辿りそうです。これらスナックの形状や製造法などは著作権がどうなっているのかわからないが、日本のメーカーが訴訟しても勝つのは厳しいのかもしれない。
この議論はメーカーに任せるとしてこれ以上深入りしないことにします。ボクは消費者なので美味しく食べたい。
さて、食感は全般的に日本商品は生地がしっかりしていてサクサク、韓国のほうが生地が弱く柔らかめだった。味にも傾向があり、日本のは塩がしっかり効いていて、韓国の商品は全般的に塩が薄めであっさりめだった。どちらが美味しいのか、というのは好みの問題だと思います。
韓国のお菓子を購入したお店はここ
今回韓国のお菓子を購入したのは韓国食材を専門に取り扱ったYes mart 福岡店。
〒812-0004 福岡県福岡市博多区榎田1丁目4-72
営業時間 10.00-18.30
Yes mart 公式サイト https://yesmart.co.jp/
Yes martは韓国の食料品や化粧品を取り扱ったお店です。ほぼ食料品メインと言った感じでお菓子類や、インスタント麺、キムチ、冷食類、お酒や調味料など置いてありました。今回の記事の韓国のお菓子が気になったらYes martに足を運んでみてはいかがでしょうか。