ツイッターなどSNSでポテトチップスの開封時のがっかり感を目にすることがあります。
「ポテチの中身の半分は空気」「中身スカスカ」「ポテチ詐欺」・・・
ポテトチップスは、袋のサイズに対して中身が少ないことで叩かれています。実際僕も袋を開けると同じ印象を持ちます。
メーカー曰く、「新鮮さを保つため窒素充填をしている。」「割れにくいようにするため。」ということらしい。
そこでポテチが袋いっぱいに入っている場合(身の丈のサイズの袋につまっていた場合)、ポテチは本当に割れやすくなるのか衝撃を与えて検証テストしてみることにしました。
もちろんメーカーの意図は振動や落下の衝撃等だけではなく、陳列で押し込まれたときなど圧力的な面から割れにくくする狙いもあるでしょう。この検証は振動でポテチが割れるのかというテストです。
検証の目的
ポテトチップスが袋に少ししか入っていないのは、「いっぱい詰めると割れやすくなるから」というメーカーの言い分が本当にそうなのか確かめるため。
近年は過大包装やプラスチックごみが問題となっており、そういう面でも過剰な容器包装はゴミの量を増やすため、なるだけ身の丈にあったサイズにすることが理想である。衝撃で割れ方に差がないなら容器包装をもっとコンパクトにして欲しい願いがある。
実際に身の丈に合ったサイズに袋を切り詰めて比較テストすることにした。
条件
身の丈にあったサイズにするのが理想だということで、市販のポテトチップスの余計な空洞を切り詰めてコンパクトにし、通常のままのものと一緒に同じように衝撃を与えて割れ具合を検証する。
検証に使った商品はカルビーの ポテトチップス うすしお味 60g。
もちろん商品は割れ方は全て均一ではない。個体差がある。整合後の運搬や、小売店での補充の仕方、客が落としたりとあるいかもしれない。とりあえず客が触ってないであろうものは選んだつもり。つまり買った状態で最初から割れているものが存在する可能性があるということ。
ということで、「購入時のまま(このまま割れチェック)」と「購入状態のまま衝撃を加えたもの」、「袋を小さくカットして衝撃を加えたもの」で3袋ずつテストする。
また、しかし同じ店舗ですべて買うと傾向が出る可能性があるので、ミスターマックスとドラッグストアコスモスで同じものを3袋ずつ購入。
テスト前に割れていないか開封して確認しない理由は、開封すると窒素充填が抜け、購入状態の耐衝撃性が確認できなくなるため。
衝撃テストは消費者が購入した場合を想定。自転車にかごにポテチの商品を直接入れ、舗装路2km+未舗装路1.8kmの計3.8kmを走って衝撃を与えた。走行速度は概ね15klm/h以下。薄い歩道の段差も何度も通過して容赦なく衝撃を与えた。
開封後の割れ判定は製造後に割れたものを割れと判定し、機械で綺麗に切断されたようなあとや、割れたあとの破断面が油で揚げられた色などの形跡があるものは製造過程の割れとして、割れ判定はしない。
テスト開始
ミスターマックスで3袋、ドラッグストアコスモスで3袋買ったが、それぞれこのように分けてテストする。
- 購入時のままで衝撃を加えない。
- 購入時のまま衝撃を加える。
- 袋小さくしたものに衝撃を加える。
1を持ってきた理由は、何もしなくても購入段階ですでに割れたものがある可能性が考えられるため、すでにどれくらい割れているのかをチェックする目的。しかしそれも個体差が考えられるため、店舗を変えて3袋ずつ購入した。
早速袋を開けたがやはり半分ほど空洞であり中身はわずかだった。
この余分に大きい袋をハサミで切って身の丈にあった袋サイズにした。口は透明テープで止めた。
本来はこうあって欲しい。
半分サイズにはならなかった。ギリギリすぎると閉じるときに割れてしまうため、1割ほどはゆとりを残した。
横から見るとこんな感じ。
ミスターマックスで買ったものとドラッグストアコスモスで買ったものを自転車のかごに入れた。
衝撃が伝わりやすいように直接入れた。このまま3.8km走ってくる。
開封して検証
帰ってきた。結構袋が跳ねたのでそこそこの衝撃は来たと思う。
ミスターマックス購入分
購入時のままで衝撃を加えない
選別して割れているものだけ残します。
これは結構割れてた。店から買った状態のままでこれは割れ過ぎかな。たまたま割れたのが多いものを買ったしまった感じなのだろうか。
購入時のまま衝撃を加える
なんかよさげな予感。
割れは割と少なかった。
袋小さくしたものに衝撃を加える
これが本番。身の丈にあったサイズの袋だとでポテチが割れるのか。
どうか?
そのままよりも多かった。しかし買ったままの状態から袋を開けただけ(衝撃なし)のものとほぼ同じなので、個体差の可能性が高いかもしれない。
ドラッグストアコスモス購入分
購入時のままで衝撃を加えない
まずは購入状態で衝撃を加えない袋をチェック。
やはり最初から割れたものはある。
購入時のまま衝撃を加える
衝撃なしの袋より、割れがわずかに少ない。
袋小さくしたものに衝撃を加える
袋から出して・・・
選別っと。
袋を身の丈にカットしたものは割れが少なかった。
結論
割れたチップスの写真を並べて比べる。
結論は、割れたポテチの量に差はあったものの、全体的に見るとすべて誤差の範囲内の可能性が高く、袋いっぱいに詰まっていても割れる枚数が増えることはないと言える。
ミスターマックス購入分の中央の写真だけが割れが異常に少ないが、これはこれがたまたま少ない個体だった可能性が高い。
自転車のかごに直接入れて3.8km走って袋がポンポン跳ねて踊っていたのに割れが増えないということは、通常の買い物で割れる心配はほぼないと思う。
自転車での歩道の段差レベルでは割れないことがわかったので、機会があれば今度は割れるまでとことん落下テストでもやってみたいと思う(やるとは言ってないw)。